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レッスン日記・ピルエットプロジェクト⑤|"回る"ための『7つの意識ポイント』

『ピルエットを美しく回りたい!(できればダブルで!)』と、試行錯誤中の筆者。回る前にやることがある!と取り組んだルルべ&パッセのキープで頑張って10秒を達成!( ;∀;) で、お次は…回らねば!とさらなる研究と試行錯誤を重ねました。

(前回の「ピルエット・プロジェクト④」は、コチラをご覧ください。)

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"回るため"の研究・腑に落ちたアドバイスは?

回転に限ったことではなく、新しい動作を習得しようとするときには、自分にとって『腑に落ちる』感覚が持てる"活かせる"アドバイスと、言葉通りにやってみようとしても『???』となってしまって動きに反映できないアドバイスってあると思います。

以下に挙げた『ピルエットの意識ポイント7つ』は、筆者が見聞きしたさまざまな回転が上達する方法に関する情報の中から、"腑に落ちた"ことだけを書き出したもの。(前回のピルエット・プロジェクト④から⑤への間が空いていたのは、試行錯誤を重ね、活かせる情報とそうでない情報を取捨選択をしていたからなのです…。)

皆さまにとって"腑に落ちる"かどうかはわかりませんが、筆者にとっては『これは確かに効いた!』と実感したことばかりなので、ぜひともご一読を^^。

※まず最初に目指しているのは、回転の中でも最もシンプルなアンドゥオールのシングル・ピルエットの完成度UPであることを念頭にお読みください。

 

 

『ピルエットの意識ポイント7つ』

◆1:直前のプリエ

『回転前のプリエをおろそかにしない』

回転直前の4番プリエ、ここから既にピルエットは始まっていると心得るべし!
足裏で床を感じつつ、しっかりプリエします。そうすることで、回転時の原動力が得られます。

とはいえ、『行くぞ~~!』という気持ちが強すぎて、身体(特に上半身)をひねるのはNG。あくまでも身体の並行を保ちつつ、まっすぐ垂直にプリエすることを意識します。
 
 

2:プリエ⇒ルルべ・パッセ

『"回転"よりも"まっすぐ立つ"意識を』

プリエ⇒ルルべ・パッセする時、回転しようとする横方向への力より、まっすぐ立とうとする縦方向への力に意識を向けると、回転の終わりまで軸をまっすぐ保ちやすく、倒木のごとく途中で「あれぇぇ~~!」とナナメに倒れる事態は避けられるはず。。。とはいえ、横方向の力を全くゼロにしちゃうと回れないので、ルルべ&パッセした時点で1/4くらい回転してる感じをイメージします。

プリエからルルべするときに、勢いよくぴょん!と飛び上がってしまわないことも大事。せっかくプリエで得た原動力が分散してしまいます。
  
 

◆3:腕の使い方

『ぶんっ!と振り回さない』

4番プリエからピルエットしようとする瞬間を思い浮かべてみてください・・・。最初に動き始めるのは"腕"ではないでしょうか?

この時、ついつい勢いよく"ぶんっ!"と腕を振ることによってトルク(回転力・駆動力)を得ようとしてしまいますが、そうするとそこにだけ爆発的なパワーが生まれるため、身体全体のパワーバランスが崩れ、うまく回転できません。腕の力を全く使わないと回転できませんが、"腕をやみくもに振った勢い"を利用するのではなく、コントロールすることが必要です。
 
 

◆4:腕の位置

『腕はすばやく正面でアンナバンに』

「腕を置いてけぼりにしない!左右の腕は追っかけっこ!」というアドバイスをよく受けていました。例えば右回りの場合、身体と右腕は回転方向に動き出しているのに、左腕はついていけていない(置いてけぼり)、という身体バラバラ状態。。。 身体のパーツが一部だけ取り残されていれば、うまく回れるわけがないですよね^^; 

"腕は身体と一体に使う"ことを意識し、シュッと早く身体の正面でアンナバンに持って行きます。

 
 

◆5:顔のつけ方

『視線の置き場所を決める&早く振り向く』

"顔のつけ方"については、いろんな方法論がありすぎて、混乱してしまいました… が、筆者の腑に落ちた&自分に合った方法は、"顔を残そう"とするよりも"早く振り向く"という意識付けでした。

筆者の場合、顔を残そうとすると、身体はかなり回転しているのに顔だけが残ってしまい("見返り美人"的な格好で)、バランスが崩れる要因となっていました。逆に"早く振り向く"ことに意識を置いたほうが、回り終わるべきところがより早く掴めるので、最後まで身体の安定が保ちやすいです。

当然ながら、そもそも視線の始点/終点をどこに置くかはっきり決めておかないと、振り返ろうにも振り返る場所が定まりません。プリパレーションする時に、目の高さにある目標物にピンポイントで視点を定めておくことも大事。
 
 

◆6:姿勢(アライメント)

『床を押しつつ伸び上がり、強くまっすぐな軸を作る』

コマの軸がフニャフニャだったら回らないのと同じで、回転の際にはしっかりしたまっすぐな軸を保つことが必要です。

バレエにおける線・ラインは、身体が双方向に引っ張り合うことによって作られますが、ピルエットする時のまっすぐなラインは、足先でしっかり床を押す下への力と上へ伸び上がる力、双方向の引っ張り合いで作られます。

引き上げようとしすぎては足元が浮いちゃうし、突き刺すように立つべし!と床を押す力を意識しすぎても重心が下にひっぱられちゃうしで、なかなか感覚がつかめないのですが… 
うまくいった時には、360度回転し終わっても、そのまましばらくルルベ&パッセで立っていられるので、それを目指すとよいかなと思います。
 
 

◆7:冷静に

『身体の動きを冷静に把握し、コントロールする』

バレエの動きが"できない"時って、『何がどうなってるのかわからない、何をどうしたいのかもわからない』状態に陥っちゃってることが多いかと思います。(身体能力的に無理な場合は除いて。)

苦手なピルエットを頭脳戦で制しようとする場合、せっかく研究して&自分なりに考えてみたことが、肝心の動きに全然反映されないままでは、一向に進化できません。(とりあえずやってみて『あ、できた!』という"感覚でできちゃう派"な方はさておき。)

『何をしたいのか(筆者の場合は上記6項目)』は決まったので、実際に動いてやってみる時にそれらを反映させようとすること・自分の身体がどういった状態にあるかを把握してコントロールしようとすることが必要。。。そのためには、冷静でなければ。

回っている最中でさえ、『あ、腕が遅れた…』『身体が斜めになってる…』と気づけるくらい冷静に、自分の身体の動きを把握した上で改善を図らねば、何度練習しても同じところでつまづいてしまいます(このあたり、以前にもこちらの記事『大人バレエ・マインド| タレント・武井壮さんの言葉に、思いがけず上達のヒントを得る。』に同じようなことを書きました)。

 
 

『7つの意識ポイント』を踏まえて、反復練習あるのみ!

バレエの先生でもない筆者がピルエットのやり方を語るなんて、畏れ多い… ですが、できない人にしかわからない、つまづきどころや感覚というものがあるのでは?とも思うのです。ここに書いた一部だけでも、同じお悩みを持つ方のご参考になれば幸いです。

さてさて…大口をたたくのはこれくらいにして、この先は練習あるのみです~!

 
 
~reverence~
 
 

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