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バレエ@映画館|『ジュエルズ(Jewels)』英国ロイヤル2016/2017シネマシーズン・第5弾
2023/05/24
2016/2017シネマシーズン、第5弾『ジュエルズ』公開は6/2(金)から順次
英国ロイヤル・オペラハウスのバレエやオペラの公演が映画館で見られる企画、"シネマ・シーズン2016/17"。
そのバレエ第5弾となる作品『ジュエルズ(Jewels)』の公開が近づいてきたので、ちょっと予習を^^。
上映館・上映時間・料金など
詳細・最新情報については、配給元・東宝東和の公式ページでご確認ください。
◆上映館・上映回数について
以下の全国10カ所の映画館で、6/2(金)を皮切りに順次公開、1週間上映されます。(今回、札幌&仙台は6/24~と少し時期がずれます。)
映画館によって開始時間は異なりますが、1日1回だけの上映なので、上映スケジュールによっては早朝からのバレエ鑑賞になっちゃうかも(通勤ラッシュ時間帯だったりして^^;)。
以下に上映館へのリンクを貼っていますので、公開日が近づいたら最寄りの映画館での上映スケジュールをご確認ください。
●北海道 札幌シネマフロンティア
●宮城 MOVIX仙台
●東京 TOHOシネマズ日本橋
●東京 TOHOシネマズ六本木ヒルズ
●千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森
●神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜
●愛知 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ
●大阪 大阪ステーションシティシネマ
●神戸 TOHOシネマズ西宮OS
●福岡 中洲大洋映画劇場
◆上映時間と時間配分
●上映時間:本編2時間46分(166分)
●休憩時間:途中2回あり(12分・11分)
インタビューなど⇒『エメラルド』 | 55分 |
☆休憩 | ☆12分 |
インタビューなど⇒『ルビー』 | 36分 |
☆休憩 | ☆11分 |
インタビューなど⇒『ダイヤモンド』 | 52分 |
計166分 |
これまでと同様、バレエのみの上映ではなく、1・2・3幕それぞれのバレエ・アクトに先立って、解説やインタビューが入ります。
今回の『ジュエルズ』は、前回『眠れる森の美女』(3時間25分ありました…)と比較すると短めですね。
◆料金
特別料金 3600円(学生料金 2500円)
※各種優待割引は適用されません(詳しくは各映画館にお尋ねください)。
上演作品について(あらすじ・キャスト・みどころetc.)
◆作品紹介
東宝東和のHPの作品紹介は以下の通り。
<エメラルド><ルビー>そして<ダイヤモンド>の輝く美しさを通して語られる、20世紀最も進歩的な振付家ジョージ・バランシンからのバレエへのラブレター。
NYの宝石店ヴァンクリーフ&アーペルのウィンドウで宝石の美しさに魅せられたバランシンが、エメラルド、ルビー、ダイヤモンドをモチーフにし、3部構成の抽象バレエとして「ジュエルズ」を作り上げた。<エメラルド>では、フォーレのフランスのロマンティックな音楽が抒情的な演技に深みを増す。ストラヴィンスキーの音楽とNYのジャズエイジのエネルギーが、<ルビー>の火を燃やす。チャイコフスキーの音楽とロシア帝国の豪華さが、<ダイヤモンド>で見事でエレガントなバレエを完結する。クラッシックバレエの歴史における異なる時代、そしてバランシン自身の人生のある時期に対するオマージュとなっている作品。1967年の初演から50年目を迎える名作は、年月が経ってもその輝きを失っていない。
◆『ジュエルズ』について調べてみました
バランシン作品を語るなんて畏れ多い…のですが、作品のことを知ってより舞台映像を楽しみたい!と下調べしたことを記します。
宝石によって表現される3つの世界
『エメラルド』『ルビー』『ダイヤモンド』、3つの異なる宝石の名を冠したバレエの連作『ジュエルズ』。特に物語はありません。
それぞれのムーヴメントに宝石の名がつけられているものの、宝石そのものだけを形容しようとしたのではなく、踊り・音楽・衣装・演出、全てひっくるめて3つの異なる世界を抽象的に表現したバレエです。
それぞれの世界を構成する要素を一覧にすると、こんな感じ↓。
作曲者 | イメージされた国 | 基調色と衣装 | |
エメラルド | ガブリエル・フォーレ | フランス | 緑・ロマンティックチュチュ(長丈) |
ルビー | ストラヴィンスキー | アメリカ | 赤・パネルスカート(短い丈) |
ダイヤモンド | チャイコフスキー | ロシア | 白・クラシックチュチュ |
かの有名な天才振付家ジョージ・バランシン(1904~1983)はロシアに生まれ、その後フランス、そしてアメリカへと居を移して創作活動を行いました。そんな彼のバレエ人生が作品に反映されています。
筆者は全篇を通して観たことがないので、3つの世界がどのように描き分けられるのか、とても楽しみです。
話はそれますが、天才振付家といえば、、、イメージがちょっとかぶるモーリス・ベジャール(『ボレロ』を振付)のことを思い出して調べてみたら、バランシンより20数年後の生まれなんですね。思ったより世代にズレがありました^^;
今年で50周年を迎える作品。多くのバレエ団が上演しているけれど…
初演は1967年と今年で50周年、ニューヨーク・シティ・バレエのために振り付けられた、世界で初めての長尺抽象作品と言われています。
以来、数多くのバレエ団により上演されているのですが、『ジュエルズ』に限らずバランシン作品の上演にあたっては、バランシン財団公認の指導者が上演を希望するバレエ団に赴いて直接指導し、バランシンの世界観を忠実に再現することが求められます。
振りや踊りの部分は比べられるほど観ていないので何とも言えませんが、画像を見る限り、どのバレエ団の舞台でも全く同じ衣装…! 細部までこだわって創作し、最高の形で完成させた作品を、そのままの形で残したいという彼の美意識がうかがいしれます。
◆主要キャスト
キャスティングシート(英語・PDF形式)は、こちらの英国ロイヤルバレエ公式HPから入手可能です。(筆者はこれをスマホにダウンロードしておいて、キャストを確認しつつ観ます。)
主要なキャストは以下の通りです。
エメラルド
●ベアトリス・スティックス―ブルネル(BEATRIZ STIX-BRUNELL)
●ヴァレリー・フリストフ(VALERI HRISTOV)
●ラウラ・モレラ(LAURA MORERA)
●平野 亮一(RYOICHI HIRANO)
●エマ・マグワイヤ(EMMA MAGUIRE)
●ヘレン・クロフォード(HELEN CRAWFORD)
●ジェイムズ・ヘイ(JAMES HAY)
他
ルビー
●サラ・ラム(SARAH LAMB)
●スティーブン・マクレイ(STEVEN MCRAE)
●メリッサ・ハミルトン(MELISSA HAMILTON)
他
ダイアモンド
●マリアネラ・ヌニェス(MARIANELA NUÑEZ)
●ティアゴ・ソアレス(THIAGO SOARES)
●クレア・カルヴァート(CLAIRE CALVERT)
●ティアニー・ヒープ(TIERNEY HEAP)
●ヤスミン・ナグディ(YASMINE NAGHDI)
●ベアトリス・スティックス―ブルネル(BEATRIZ STIX-BRUNELL)
●ニコル・エドモンズ(NICOL EDMONDS )
●ジェームズ・ヘイ(JAMES HAY)
●フェルナンド・モンタニョ(FERNANDO MONTAÑO)
●ヴァレンティノ・ズケッティ(VALENTINO ZUCCHETTI)
他
◆筆者的、注目ポイントはここ!
大好きなダンサーがそろい踏み!
全篇において、大好きなダンサーや今後を楽しみにしているダンサーが出演していて、視線をどこに持っていこうか困りそうなほど。
『エメラルド』では、抜群の安定感と驚愕のテクニックを誇るラウラ・モレラ、『ヴィサラ』でキレのある踊りを観て以来気になっているエマ・マグワイヤ、DVD『ドン・キホーテ』で崔さんとともにキトリの友人役を踊っていたベアトリス・スティックス―ブルネル。
『ルビー』のラム&マクレイの小気味よさとダイナミックさを併せ持つ踊りは一番期待している場面のひとつだし…(2人のリハ映像はコチラで。このリハ映像で指導しているのは1967年・初演時のキャスト、パトリシア・ニアリーです。)
『ダイヤモンド』は、白のクラシック・チュチュを身につけて踊る大好きなマリアネラ・ヌニェスの姿を思っただけで、アタマがお花畑になりそう。。。(こちらもリハ映像(コチラ)あり。)
前回のシネマ公演『眠り』でリラの精を踊ったクレア・カルヴァート、鷹揚の精役だったヤスミン・ナグディ、密かにファンなヴァレンティノ・ズケッティ(男性、とてもクリアな踊りをされるんです!)のお名前も^^。
テイストの異なるバレエが一度に楽しめそう!
前述の通り、『ジュエルズ』は、ロマンティック・バレエが開花した地・フランス、バレエにジャズなど異なるスタイルを取り入れて進化した国・アメリカ、クラシック・バレエのスタイルが確立された国・ロシア、3つの国でのバランシンのバレエ経験とそれぞれのスタイルへのオマージュが反映された作品です。それを知ると、なるほど、チョイスされた宝石も音楽も、それぞれのイメージにピタリとはまります。
そんな、3つの異なる顔を見せるバレエが一度に楽しめてしまう『ジュエルズ』。とても楽しみです!
~reverance~
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