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バレエ@映画館|予習『真夏の夜の夢』他・英国ロイヤル2016/2017シネマシーズン・第6弾
2023/05/24
Contents
2016/2017シネマシーズン、第6弾『真夏の夜の夢』『シンフォニック・バリエーションズ』『マルグリットとアルマン』公開は9/1から順次!
英国ロイヤル・バレエの公演が映画館で見られる企画、"シネマ・シーズン2016/17"。
そのバレエ第6弾となる『真夏の夜の夢』『シンフォニック・バリエーションズ』『マルグリットとアルマン』(3作同時上映)の公開が近づいてきたので、ちょっと予習を^^。
上映館・上映時間・料金など
詳細・最新情報については、東宝東和の公式ページでご確認ください。
◆上映館・上映回数について
以下の全国10カ所の映画館で、9/1(金)もしくは2(土)から1週間上映されます。
映画館によって開始時間は異なりますが、1日1回だけの上映なので、上映スケジュールによっては早朝からのバレエ鑑賞になっちゃうかも。。。
●北海道 札幌シネマフロンティア
●宮城 MOVIX仙台
●東京 TOHOシネマズ日本橋
●東京 TOHOシネマズ六本木ヒルズ
●千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森
●神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜
●愛知 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ
●大阪 大阪ステーションシティシネマ
●神戸 TOHOシネマズ西宮OS
●福岡 中洲大洋映画劇場
◆上映時間・キャスティングなど
●トータル上映時間:3時間24分
●休憩時間:1幕・2幕・3幕の間にそれぞれ14分・13分間の休憩あり
●キャスティングシート(英語):こちらの英国ロイヤルバレエ公式HP(PDF形式)から入手可能。スマホにダウンロードしておいて、手元で参照できるようにしておくと便利です^^。
これまでと同様、バレエのみの上映ではなく、1・2・3幕それぞれのバレエ・アクトに先立って、解説やインタビューが入ります。
今回もおよそ3時間半の長尺!見ごたえありそう~!
◆料金
特別料金 3600円(学生料金 2500円)
各種優待割引は適用されません(詳しくは各映画館にお尋ねください)。
『真夏の夜の夢』『シンフォニック・バリエーションズ』『マルグリットとアルマン』のあらすじ・キャスト・みどころ
"フレデリック・アシュトン振付"つながりの3作。英国のバレエスタイルを決定づけたアシュトンは、英国ロイヤルバレエを語るにあたって欠かせない偉大な先人。その影響力は現在に渡り絶大です。
これまでも複数のアシュトン振付作を組み合わせて上演してきた英国ロイヤルですが、2016/17シーズンにはこの3作が同時上演されました。
↓こちらは英国ロイヤル・オペラハウス公式のトレイラー。チェックしておくとますます楽しみになりますよ!
◆作品紹介
東宝東和のHPの作品紹介は以下の通り。
古典主義、ロマンス、そして優雅さ——
代々受け継がれ最も愛されるフレデリック・アシュトン振付による3本のバレエの贈り物】
ロイヤル・バレエ『真夏の夜の夢/シンフォニック・ヴァリエーションズ/マルグリットとアルマン』は、ロイヤル・バレエの誇る振付家フレデリック・アシュトン(1904~88)の遺産ともいえる3つのバレエ。
『真夏の夜の夢』は、シェイクスピアのコミカルな戯曲をもとにしたバレエで音楽はメンデルスゾーン。今回は日本人プリンシパルである高田茜さんが妖精王オベロンの妻、ティターニアを演じるのも話題。
『シンフォニック・ヴァリエーションズ』は動きの美しさを表現した独創的な名作。
『マルグリットとアルマン』は、「椿姫」をもとにマーゴ・フォンテインとルドルフ・ヌレエフのために創り上げられたバレエ。今回マルグリット役を演じたゼナイダ・ヤノウスキーの引退記念公演となった。
◆あらすじ・各作品について
『真夏の夜の夢』(The Dream)
別記事にあらすじをまとめていますので、ご参照ください^^。
版によっての差異が大きい『(真)夏の夜の夢』、アシュトン版は1幕(1時間ほど)にまとめられています。
『シンフォニック・バリエーションズ』(Symphonic Variations)
特にストーリーや設定はなく、セザール・フランクの音楽にのせ美しい動きが堪能できる作品。第2次大戦中、英国空軍に所属していたアシュトンが帰還した直後に創作された作品で、初演は1946年です。
ギリシャの神々のようなコスチュームに身を包んだ6人のダンサーが、さまざまにフォーメーションを変えながらひたすら美しい動きを見せてくれます。
壮絶であったろう戦争体験を経て、ただただ美しいものを愛でたい、という気持ちで創作したのでしょうか。幻想的な美しさに目を瞠ります。
『マルグリットとアルマン』(Marguerite and Armand)
デュマの小説『椿姫』をベースに、主人公である高級娼婦マルグリットとブルジョワ階級の青年アルマンにフォーカスしてアシュトンが振付した1幕30分ほどのバレエ。初演は1963年です。
こちらのYoutube映像で、タマラ・ロホ&ポルーニンによる同作の一部が観られます。
同小説を題材にしたバレエとしては、ノイマイヤー版の『椿姫』が有名ですが、こちらは3幕ものの長尺で、制作はアシュトンの『マルグリットと…』より後の1978年。
高級娼婦と身分の高い青年の悲恋を描いた今作、アルマンの腕の中でマルグリットが息絶えるラストのパ・ド・ドゥに注目です。
◆主要キャスト
主要キャストは以下の通り。(英語版公式キャスティング・シートはこちら。)
真夏の夜の夢(The Dream)
・タイターニア(妖精の女王):高田 茜
・オベロン(妖精の王):スティーブン・マクレイ
・パック(いたずら者の妖精):ヴァレンティノ・ズケッティ
・ボトム(魔法でロバになっちゃう):ベネット・ガートサイド
・ヘレナ(人間の女性):イツィアール・メンディバザル
・ディミトリウス:トマス・モック
・ハーミア:クレア・カルヴァート
・ライサンダー:マシュー・ボール
・蛾:エリザベス・ハロッド
『シンフォニック・バリエーションズ』Symphonic Variations
・マリアネラ・ヌニェス
・ワディム・ムンタギロフ
・ヤスミン・ナグディ
・ジェームズ・ヘイ
・崔 由姫
・トリスタン・ダイヤー
『マルグリットとアルマン』(Marguerite and Armand)
・マルグリット:ゼナイダ・ヤノウスキー
・アルマン:ロベルト・ボッレ
・アルマンの父:クリストファー・サウンダース
・公爵:ゲイリー・エイヴィス
※ダンサー名や役名は、英語でのオリジナル記載を日本での一般的な記載に変換したものです。
◆Balletholic的、注目ポイントはここ!
*真夏の夜の夢
◆サラ・ラム降板で登板の高田 茜さん
キャスティングされていたサラ・ラムが怪我のため降板。代わって高田茜さんがタイターニアを踊ることになった日の公演がちょうどシネマ上映の録画日となっていたことで、マクレイ×高田さんという思いがけぬキャスティングの踊りが観られることに!
元々か細く妖精っぽい雰囲気を持つ高田さんのタイターニア、果たしてどんな踊りなんでしょうか。
◆密かに好きなズケッティが主要キャストのパックに!
個人的にずっと気になっているヴァレンティノ・ズケッティ。2016年の来日公演では、ロミジュリのマキューシオを踊って喝采を浴びていました(ロミオ役のソアレスを食ってた感あり)。昨年夏にアレクサンダー・キャンベルがプリンシパルに昇格した時には、「なんでズケちゃんも一緒じゃないの?」と若干不服に思ったものです。
クリアでメリハリある、予想ラインを超える高さやラインを見せてくれるズケッティ。ソロも多いパック役、彼の踊りがしっかりと観られそうで楽しみ!
◆神・マクレイのオベロン。奥様のエリザベス・ハロッドも登場予定。
もはや"神"(笑)なマクレイの踊りは、毎回ただただ楽しみ!間違いないでしょう!
産休から復帰の奥様:エリザベス・ハロッドのお名前も"Moth(蛾)"役でキャスティングシートにあり、こちらも楽しみです。
◆ボトム=ロバさんのポワント踊り
アシュトン版の『真夏の夜の夢』では、魔法をかけられてロバさんになったボトムが、ポワントで踊るシーンがあるそう。
こちらのYoutube映像では、ボトム役のベネット・ガートサイドが男性がポワントで踊る苦労を語っています。ダンサーとして長年のキャリアを持つ彼ですが『ポワントで立って降りる時にドスンと降りてしまう(足裏を使ってドゥミを通過することなく)。』と言い、ポワントで立って四六時中踊っている女性にリスペクトをささげています。
*シンフォニック・バリエーションズ
◆とにかくゴージャスな配役!
愛してやまないマリアネラと、気品あるムンタギロフ、この夏プリンシパル昇格したばかりのヤスミン、なぜプリンシパルに昇格しないのか不思議でならない綺麗な踊りの崔さん、実力派の中堅層ヘイとダイヤー。
視線をどこに持っていこうか迷っちゃうほど、実力派そろい踏みの配役! ここにこんなキャストが集中投下できるのは、今のロイヤルの層の厚さあってこそでは?!楽しみ~!
*マルグリットとアルマン
◆ボッレさま、ロイヤルにご降臨
アルマンを踊るのは、美しすぎて笑えてきちゃうロベルト・ボッレ。(↓見よ!この美しさを。ご本人のインスタ投稿ですが、ナルシストでも許せちゃう(笑))
特定のバレエ団に専従で所属せず、フリーランスで活躍している(このワークスタイルで成功しているのは彼くらいでは?)ボッレ。この度は英国ロイヤルにご降臨(笑)です。
ゼナイダ・ヤノウスキーの引退公演となったこの公演ですが、ボッレはオペラ座のオーレリー・デュポンの引退公演でも『マノン』で相手役を務めており、名だたるカンパニーからいかに頼りにされているかが窺えます。
◆ゼナイダ・ヤノウスキー、引退公演が初見なんて!
鑑賞機会が全くなく、その踊りを観ることがなかったゼナイダ・ヤノウスキー。引退公演が初見なんて、ごめんなさい…という感じなのですが、お顔立ちは円熟味を加えたサラ・ラムちゃんみたい、ちょっと見ただけの踊りはなんとなくアニエス・ルテステュ(元オペラ座エトワール)っぽい感じ?なんて、楽しみにしています。
バレエを観に、映画館へ行こう!
日本で生の公演を観る機会はまずないであろう、アシュトン振付の3つの作品が一度に楽しめちゃう今回のプログラム。
馴染みの薄い演目ばかりかもしれませんが、こうしてちょっとだけ予習しておくと一層深く楽しめるかな?と思います。
2016/17シネマシーズンの締めくくり、楽しみですね!
~reverence~
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