バレエ公演(ライブ) バレエを観る

【はじめてのバレエ鑑賞】 劇場でバレエを観よう!服装は?マナーは?チケットはどうやって探す?

2023/06/01

DVDとは違う、ライブで観るバレエ@劇場の魅力。

バレエが大好きでレッスンに通っていても、生の公演を劇場で観たことはない、と仰る方も少なくないのではないでしょうか。

バレエ人気が高い日本では、DVDやBlu-rayのラインナップが豊富で、テレビでも良質なバレエ公演映像がちょこちょこ放映されます。Youtubeなどのネット動画も含めると、バレエを目にする機会も方法も、ここ20年ほどで格段に増え、わざわざ高いチケットを買って遠くの劇場まで観にいくなんて…という意見もあるかと思いますが、

そもそもバレエは劇場で観ることを想定して創られた舞台芸術

 
刻々と移り変わってゆくダンサーの動きと美しい音楽が五感フル稼働で味わえる、魔法のようなひと時が過ごせるのは、劇場でのバレエ鑑賞ならではの醍醐味です。

ぜひ一度劇場に足を運んで、その空間にいることでのみ得られる高揚感と臨場感を肌で感じください^^。
 

 


 

チケットについて知っておきたいこと。販売はいつから?価格の目安は?

販売開始時期の目安

バレエ公演のチケットは、公演日の半年くらい前から販売開始されることが多いです。
それより早い/遅い場合もあるので、日頃からプロモーターやプレイガイドのサイト(後述)などで公演予定をチェックしておくと見逃しにくいです。

よほどの人気公演を除いては、公演日間近まで残席があることや当日券が出ることが多いですが、座席によって見え方がかなり左右されるため、見やすい席は熱心なバレエファンによって販売開始直後に埋まってしまう…ということも。


チケット価格の目安

チケット価格は、公演の規模や出演者、音源(録音か生演奏か、フルオーケストラかどうかなど)など、様々な要因に左右されます。

著名な海外バレエ団による来日公演や複数ダンサーによるガラ公演、かつ、オーケストラによる生演奏がある場合が最も高価で、おおよその目安は以下の通り。(あくまで"最も高価な場合の目安"ですので、ご参考程度に!)
 S席:30000円弱(2万円台後半)
 A席:20000円前後
 ・
 ・
 D/E席:7000円前後
録音された音楽を使用する場合や、バレエ団の日本での知名度が低い場合、少人数のダンサーによる小規模公演になると、価格は上記より低くなっていきます。
 
日本のバレエ団による公演の場合は、渡航費用などのコストが抑えられるためか、チケット価格もややお手頃。上記の半額~70%くらいをイメージするとよいかと思います。


チケット購入に際して知っておきたいこと・あれこれ

最前列はどこ?

観客席の最前列~数列をつぶしてオーケストラボックスを設置する造りになっているホールもあります。このようなホールでは録音された音楽を使用する場合(=オーケストラボックス部分も座席として開放)とオーケストラによる生演奏の場合とで、最前列の場所がずれます。

主役がどのダンサーかわからないまま販売開始、なんてことも!

来日ツアーにたまにみられるのが、"配役が発表されないままチケット販売開始日を迎える"という事態。
せめて主役くらいはどのダンサーが踊るのか知ったうえで購入するかどうか決めたい…のですが。チケットは返品や買い直しが効かないので、ここはプロモーターさんに強く改善をお願いしたいところです。
 

降板・キャスト変更はいたしかたなし…

身体を鍛えぬいているダンサーとはいえ、ケガや体調不良は避けられません。やむを得ない事情で降板→キャスト変更ということがちょこちょこあります。

このような場合でも、チケットのキャンセル・払い戻し等はできません。仕方のないこととはわかっていても、お目当てのダンサーが降板となるとガックリしちゃいますね…
 


 

バレエ公演チケット情報の探し方

劇場でもらう告知チラシで

コンサートホールに観劇や音楽鑑賞に行くと、入り口付近で渡される大量のチラシ。かなり早い段階で先々の公演情報がわかるので、要チェックです。
 

プレイガイドサイトで

プレイガイド・サイトのメインページから、検索窓に『バレエ』と入力 ⇒エリアを絞る
という流れで探すと、バレエ公演の他、映画館でのバレエ作品上映やコンクールの観覧情報も見つけられます。広い範囲でバレエ関連イベントをチェックできるので、定期的にチェックするとよいですね。

<主なプレイガイドサイトへのリンク>
チケットぴあ
e+(イープラス)
ローチケHMV
 
 

バレエ公演チケットの販売窓口

バレエ公演のチケットは複数のチャネルで販売されている場合が多いです。
先行販売の有無、購入時の座席指定ができる/できない、システム利用手数料の有無、支払いや発券の方法など、それぞれに特色があり、微妙に使い勝手が異なるので、比較検討するとよいでしょう。

◆プレイガイド

あらゆるチケットを広範囲に取り扱っているので、大々的にPRしていない公演でも見つけやすく、決済・発券方法も複数あって利便性が高い一方、出演者や演目についてのきめ細やかな情報は得にくいかもしれません。決済方法によっては、手数料がかさむ場合もあります。

<主なプレイガイドサイトへのリンク>
チケットぴあ
e+(イープラス)
ローチケHMV

◆劇場窓口

バレエ公演が行われる劇場の公式サイトで、直接チケットを販売している場合があります。オンラインチケット購入には、会員登録(通常は無料)が必要であることが多いです。特典つきの独自の会員制度を設けている劇場もあります。

<主な劇場サイトへのリンク>
東京文化会館
Bunkamuraオーチャードホール(東京)
新国立劇場
フェスティバルホール(大阪)
兵庫県立芸術文化センター(兵庫)

◆プロモーター(興行主)による販売

バレエ公演の企画製作・招聘などを行う財団や会社(テレビ局の文化事業などの場合もあり)から直接購入する方法です。演目や出演者、キャスト変更などの情報については、プロモーターのサイトが一番詳しいです。
こちらも会員登録しておくと、メルマガ等でいち早く情報が届きます。

<主なプロモーターサイトへのリンク>
公益財団法人日本舞台芸術振興会(NBS)
光藍社

◆チケット売買サイト

正規の販売ルートではないので安易におススメできませんが、『転売禁止』等の記載がない・入場時などに本人確認が必要とされていない・定価以上の価格で販売されていない、等の要件を満たすチケットに限って、健全に売買されているサイトがあります。

チケット販売大手の「ぴあ」や「イープラス」が運営しているサイトもあるので、直接販売チャネルからの入手ができない場合には一度チェックしてみるのも手かもしれません。(運が良ければかなりの良席が販売される場合も。)
 

バレエ演目・作品の選び方

"はじめて"なら、やはりクラシックな有名どころを。

首都圏を除いては、選ぶほどバレエ公演の数が無いのが現状です。
ゆえに、それなりに集客が見込める演目を選んで上演しており、そこまで厳選しなくとも『ゲージツ的過ぎてちと意味不明…』ということはないと思いますが、バレエを生で観るのが本当にはじめてな方には、やはり有名どころの演目(クラシックのスタンダード作品)がおススメです。

ネオクラシックやモダン、聞いたことのない演目については、ストーリーや製作意図がわからないと深く楽しめない場合もあるので、プロモーターのサイトなどで作品情報を仕入れておくと理解度が深まります。
 

お子さん連れの場合には。

ネオクラシックやモダンの演目の中には、かなり濃密なラブシーンがあったり、露出度の高い衣装で踊る作品もあるので、小さなお子さん連れでの鑑賞を予定されている場合には、ちょっと下調べしたほうがよいかもしれません。(振付師や解釈の違いで、作品名だけでは判断できない場合もありますが^^;)
 
 

劇場にはどんな服装で?

筆者の肌感覚では、日本でバレエを鑑賞する場合にはそこまで服装に気を遣わなくても大丈夫な気がします。

そのままピクニックに行けちゃいそうな恰好(ジーパンにTシャツなど)はさすがに避けたほうがよいと思いますが、かなりカジュアルな格好の方も多く来場されています。
ちょっと高級なレストランやホテルでのお食事をイメージすると、コーディネイトが決めやすいかもしれません。

観客席の空調は、寒すぎず暑すぎないよう配慮されてはいるものの、ずっと座って鑑賞していると肌寒く感じ始めて舞台に集中できなくなってしまうこともあるので、筆者はナマ脚+スカートは避けるようにしています。(ニット+パンツスタイルが多いです。)

いつかキモノを着てコヴェントガーデン&オペラ座でバレエ鑑賞ハシゴしたいものです…
 
 

バレエ公演をさらに愉しむために

"ちょっとした予習"で楽しみ倍増!

観に行く作品やダンサーについて、ちょっとだけ予習しておくと、バレエ鑑賞の楽しみが何倍にもなりますよ^^

『白鳥の湖』など有名な作品でも、振り付け家によってストーリーやキャラクターの性格付けが全然違ったりするし、知名度が高くない・観たことがない作品についても、物語や背景をちょっと知るだけで舞台で何が表現されようとしているか理解するのに大いに役立ちます。

特にガラ公演では、全幕もののバレエからハイライト部分を切り抜いて演じられるため、どの作品のどの場面かを知っておかなければ『踊りはステキだった~!でも、どうしてあんなに悲しげにしてたの???』という、ちょっともったいない観方になってしまいます。

全幕ものでもガラ公演でも、ダンサーたちは身体だけでなく目線や表情まで全てを駆使して感情を伝えようとしています。渾身のパフォーマンスをしっかり味わいうためにも、ちょっとだけ下調べすることをおススメします^^

やはり入手したいパンフレット

バレエのパンフレットは2000円前後しちゃうのですが、できれば入手することをおススメします。

ダンサーや作品について事前情報を仕入れた上で観るのと、ゼロの状態で観るのとでは、愉しみや理解の深さが全然違う!というのが理由その1。

理由その2は、後で記憶を反芻するのに役立つから。バレエ鑑賞にハマって色んな公演を観ていると、だんだん個別のダンサーに目が行くようになります。『このダンサーどこかで…』と記憶を手繰り寄せるのに役立つし、それによってさらにバレエ鑑賞の楽しみ方も広がっていきます^^
 

役に立つ持ち物

◆双眼鏡・オペラグラス
座席によりますが、ダンサーの表情や脚づかいなど細かな部分のチェックには双眼鏡やオペラグラスが便利です。ホールによっては、オペラグラスの有料貸出を行っているところもあります。

◆羽織りもの・ひざ掛け
体温調節用に!

◆のど飴・ミント
止めようとすればするほど出てしまう鑑賞中の咳。するほうもされるほうも本当に困ってしまいます。そんな時、カバンにのど飴やミントがあれば『助かった!』と思いますよ。

◆飲み物
休憩中にロビーで。バレエの公演は長丁場なので、程よい水分補給が必要です。
 
 

拍手のしかたは?

周りに合わせておけば大丈夫、と言ってもあまり役にも立ちませんが、、、それが一番無難です^^;

拍手の仕方にもお国柄や文化が反映されるようで、ハメを外さず淡白なフランス、エモーショナルで盛り上げ上手なロシア、メリハリの効いたイギリス、周りと出演者への配慮ありきな日本、、、というのが筆者の印象。

主役級が登場したら曲の途中でも拍手が起こる場合もあれば、シーンとしてる場合もあり、ソロが終わったらふんだんに時間を取ってレベランスする場合もあれば、めっちゃあっさりしてる場合も。

グランフェッテ32回転の時に合わせて拍手されるとやりにくいというダンサーもいるようだし、、、やはり日本人である筆者は日本流=空気を読んじゃうタイプ。。。とはいえ、感動で心震えたパフォーマンスに対しては、終演時に自然と腰が浮いて大きな拍手を送ってしまいます。
 

途中入場はNGなことも。お手洗いはこまめに!

開演に間に合わなかったり、幕の途中でお手洗いに立ったりすると、キリのいところ(場面転換とか)や次の休憩まで観客席に入れないことが多いです。
不可避な事態もありますが、満を持して迎えた公演、できるだけ最初から最後まで余すことなく堪能したいものですね。

バレエの公演を観に、劇場に行こう!

DVDもあるし、高価なチケットを何カ月も前から取ってまで劇場でバレエを観ようなんて…とお思いの方もおいでかと思います。
筆者もフルタイムで仕事をしていた時には、『有休が取れないかも…』と思うと、事前にチケットを買おうとは思いませんでした。そんな中、森下洋子さんがクララを踊る『くるみ割り人形』の当日券が取れ、十数年ぶりに足を運んだ劇場は、ふかふかの赤絨毯が敷かれた階段、格調高げな緞帳、オーケストラピットの演奏家が練習で奏でるランダムなメロディー、ちょっとおしゃれして浮き浮き感がにじむ観客、別珍のシートカバー、、、踊りを観る前から全てがキラキラとしていて、その場にいるだけで疲れた心が癒え、気分が高揚したことを覚えています。

そんな、"パフォーマンスを観ること"プラスアルファの体験ができるのが、劇場でのバレエ鑑賞の魅力。きっとこの先も、生涯にわたって劇場に足を運び続けると思います。

まだ一度もバレエ公演を観に行ったことのない方、まずはお近くでバレエ公演がないか検索してみてはいかがでしょうか?^^

 
 
~reverence~

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