バレエ用語と動き| 『ルルべ』と『シュス(ス・スー)』
2023/06/08
Contents
『ルルべ』と『シュス』(シュ・スー、ス・スー)
バレエで『ルルべ』『シュス』という時には、両方ともかかとを上げて伸びあがるように立つことを意味します。
レッスン初日から使われる基本的な用語なので、意味するところや動きについて確認しておきましょう。
『ルルべ』=『引き上げられた』
仏語『Releve』は英語の『raised』や『lifted』に相当。
すなわち、日本語では『(高く)引き上げられた』という意味を持つ単語です。
バレエ用語としての『ルルべ』は
『かかとを高く上げて足指で立つ』状態のことを指し、5本の足指のみ(トウシューズの場合にはつま先のみ)を床につけて立つこと
を指します。
とは言うものの、トウシューズ着用時に"つま先立ち"を指示される場合は、『ルルべ!』とはあまり言わず、『ポワントで(立って)』or『アップ!』等とおっしゃる場合が多いです。
参考動画:『ルルべ』
◆マイアミ・シティ・バレエ団のジェニファー・カーリン・クロネンバーグさんによる、ルルべの動きがよくわかるYoutube動画を見つけたので、参考になさってください。
◆こちらのYoutube動画(BalletHubさんの『Get a Better Releve in Ballet Class』)ではバレエシューズでルルべする時に"足指を縮こまらせないように"というポイントがわかりやすく説明されています(0:23あたりから)。
(☝ゆとりのないサイズのバレエシューズを選ぶとこのように足指が縮こまってしまいがちです。)
レッスンで確認!『ルルべ』のチェックリスト
☑ ルルべする瞬間にぴょんと飛び上がらない。(足指で床を真下に"押す"感覚で)
☑ 足指の小指・親指側どちらかに重心が偏らないように。
☑ シューズの中で足指に力を入れて縮こまらせない。(5本の指をベターっと全て使う感覚。)
☑ 土踏まずを上に引き上げる意識で、かかとはできるだけ限り高く。
☑ 脚はゆるみなくまっすぐに伸ばすが、膝にグッと力を入れないよう注意。膝は"上に"伸ばす感覚で。
☑ 足指で床を押す"下向き"の力と上体を"上向き"に伸ばす力、上と下に引っ張り合っているような感覚を意識して行う。
☑ 内腿は外旋させ、かかとは前方向に。(アンドゥオールへの意識を厳しく)
☑ 身体の芯をとらえるよう意識を集中する。
Sponsored Link
『シュス(シュ・スーorス・スー)』
フランス語『Sus-sous』は 英語の『over-under』に相当します。日本語では『上に・下に』の意。
日本語での表記や発音は『シュス』『『シュ・スー』ス・スー』など複数あります。(以後『シュス』と表記します)
バレエ用語としては
両足のつま先を引き寄せて1点に集め、ルルべで(トウシューズの場合ポワントで)立つこと
を指します。
5番ポジションで足の位置を動かさずに『ルルべ』すると、両脚の間にスキマができてしまいますが、後ろのつま先が前から見えなくなるまで脚をクロスさせ、スキマが無くなる状態にします。
それが『シュス』です。
混同してしまいがちですが(実際、厳密に使い分けをしない先生もいらっしゃいます)、
脚のポジションに関わらず”かかとを上げて立つこと”を広く意味するのは『ルルべ』、両脚をぴったりと密着させた状態でかかとを上げて立つことをピンポイントで意味するのが『シュス』、とご理解ください。
参考動画:『シュス(ス・スー)』
こちらのYoutube動画(0:25あたりから)に、『シュス』のポイントが簡単に説明されています。
動画でも少し触れていますが、バーレッスンで5番→ルルべに移行するときには、前の足を動かしてクロスさせることが多いようです。
(センターや実際の踊りの中では、両足を真ん中に集めることもあります。)
クロスさせる際は、つま先だけにフォーカスするのでなく、内腿を引き寄せあうようにすることもポイントです。
レッスンで確認!『シュス』のチェックリスト
前述の『ルルべ』のポイントに加え、以下を意識して行いましょう。
☑ お尻と両脚はぴったりと引き寄せあう。
(内腿や膝裏に紙を挟んでも落ちないくらいを目指して!)
☑ 前から見てつま先がひとつに見えるように。
☑ 両足とも かかとを前へ押し出すような意識で。
(特に後ろのかかとが緩みがち!)
バレエでは、あらゆる場面で登場する『ルルべ』と『シュス』。
ですが、日常生活で思いっきり背伸びしてつま先立ちする場面なんて、高いところにあるモノをとる時くらいだったりしませんか?
それだけに、足に強さがないまま無理に何度も行うと、足を痛めてしまう原因にもなります。
甲が美しくアーチを描いた高いルルべには憧れますが、大人バレエの場合、一足飛びに理想形を目指すと思わぬところを痛めてしまうことも^^;。。
幸い、『ルルべ』なら自宅でも場所をとらずに練習できるので、歯磨きしながら片脚ずつルルべする習慣をつけるなど、下地づくりに励みたいですね。
~reverence~