バレエ用語と動き| 『ルルべ』と『シュス(ス・スー)』
2017/01/24
『ルルべ』と『シュス』(シュ・スー、ススー)
『ルルべ』=『引き上げられた』
仏語『Releve』は英語の『raised』や『lifted』に相当。
すなわち、日本語では『(高く)引き上げられた』という意味を持つ単語です。
バレエ用語としては、『かかとを高く上げてつま先立ちになった足のポジション』のことを指し、バレエシューズの場合は5本の足指で、トウシューズならポワントで立っている状態を言います。
(とは言うものの、筆者の経験上、トウシューズ着用時にポワントで"つま先立ち"を指示される場合は、『ルルべ!』とはあまり言わず『ポワント!』or『アップ!』とおっしゃる場合が多い気がします。)
参考動画:『ルルべ』
◆マイアミ・シティ・バレエ団のジェニファー・カーリン・クロネンバーグさんによる、ルルべの動きがよくわかる動画を見つけたので、参考になさってください。
◆こちらの動画ではバレエシューズでルルべする時に"足指を縮こまらせないように"というポイントがわかりやすく説明(0:23あたりから)されています。
(ちなみに、ゆとりのないサイズのバレエシューズを選ぶとこのように足指が縮こまってしまいがちです。)
レッスンで確認したい・『ルルべ』のチェックリスト
☑ ルルべする瞬間にぴょんと飛び上がらない。(足指で床を"押す"感覚で)
☑ 足指の小指・親指側どちらかに重心が偏らないように。
☑ シューズの中で足指に力を入れて縮こまらせない。(5本の指をベターっと全て使う感覚。)
☑ 土踏まずを上に引き上げる意識で、かかとはできるだけ限り高く。
☑ 脚はゆるみなくまっすぐに伸ばすが、膝にグッと力を入れないよう注意。膝は"上に"伸ばす感覚で。
☑ 足指で床を押す"下向き"の力と、均衡をとる意識で、上体を"上向き"に引き上げる。
☑ 内腿は外旋させ、かかとは前方向に。(アンドゥオールへの意識を厳しく)
☑ 身体の芯をとらえるよう意識を集中する。
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『シュス(ス・スー)』
フランス語『Sus-sous』は 英語の『over-under』に相当します。日本語では『上に・下に』の意。
日本語での表記や発音は『シュス』『ス・スー』などです。
バレエ用語としては、『5番ポジションから両足のつま先を引き寄せ、ルルべでもしくはポワントで立つポジション』を指します。
5番ポジションでそのまま『ルルべ』すると、両脚の間にスキマができてしまいますが、後ろのつま先が前から見えなくなるまで脚をクロスさせ、スキマが全く無くなる状態にします。
それが『シュス(ス・スー)』です。
参考動画:『シュス(ス・スー)』
こちらの動画(0:25あたりから)に、『シュス(ス・スー)』のポイントが簡単に説明されています。
動画でも少し触れていますが、バーレッスンで5番→ルルべに移行するときには、前の足を動かしてクロスさせることが多いようです。
(センターや実際の踊りの中では、両足を真ん中に集めることもあります。)
クロスさせる際は、つま先だけにフォーカスするのでなく、内腿を引き寄せあうようにすることもポイントです。
レッスンで確認したい・『ス・スー』のチェックリスト
☑ お尻と両脚はぴったりと引き寄せあう。(内腿や膝裏に紙を挟んでも落ちないくらいを目指して!)
☑ 前から見てつま先がひとつに見えるように。
☑ 特に後ろのかかとが緩みがちなので、かかとを前に出す意識をもつ。
バレエでは、あらゆる場面で登場する『ルルべ』と『シュス』。
ですが、日常生活で思いっきり背伸びしてつま先立ちする場面なんて、高いところにあるモノをとる時くらい…では?
それだけに、足に強さがないまま無理に何度も行うと、足を痛めてしまう原因にもなります。
甲が美しくアーチを描いた高い『ルルべ』には憧れますが、一足飛びに理想形を目指すことは禁物です。
幸い、『ルルべ』なら自宅でも場所をとらずに練習できるので、歯磨きしながら片脚ずつルルべする習慣をつけるなど、下地づくりに励みたいですね。
~reverence~