バレエ用語と動き| 腕のポジション・基本の5つ
2017/08/15
『バレエ用語・これだけは!編』として、日々のレッスンでさらっと使われがちな、『これだけは知っておきたいバレエ用語』をピックアップしてみました。
バレエのレッスンで使われる用語は、基本的にはフランス語。
『…そのあと5番ルルべしてシュス、腕はアンオーから最後はアロンジェして…』
…なんていう先生の言葉に、頭が『?????』マークだらけになってしまって、動けない…なんてことにならない程度に、頭の片隅にちょこっといれておくとよいかと思います。
※2017年8月、改訂しました。(イラストの挿入など)
基本の腕のポジション:5つの呼び方
レッスン初日から耳にされるであろう、頻出の
基本の腕のポジション(や動かし方)を表す言葉を5つ挙げました。
② アンナバン
③ アンオー
④ アラセゴン
⑤ アロンジェ
※レッスン中の口語表現に近い表記にしています。
では、それぞれ順に確認していきましょう。
①アンバー ②アンナバン ③アンオー
この3つは、肘をやや曲げて卵型を形作った両腕を『下・中・上』どこに位置させるかの違いです。
① アンバー=En Bar
位置を表す前置詞『En』と「下」を意味する『Bar』なので、両腕は下に位置させます。
② アンナバン=En avant
『avant』=「前」を意味するので、両腕は胸のやや下あたり、身体の前に保持したポジションです。
③ アンオー=En haut
『haut』=「高い」「上に伸びている」を意味するので、両腕は上で保持したポジションです。
↓絵で見ると一目瞭然、ですね^^(頑張ってデジ絵を描いてみました~!)
いずれの場合も肘と手首は硬直させることなく柔らかく使い、手先はリラックスさせます。
アンナバンは丸い大きなボールを抱えるように丸く柔らかく!アンオーは肩まで上に持っていかれないように!というアドバイスを受けることが多いですね。
④アラセゴン
④ アラセゴン=『a la seconde』(『アラセゴンド』『アラスゴン』と聞こえる場合も。)。『seconde』は「2番目の」という意味。(『a la』は前置詞&冠詞)
バレエで言う『2番』は、手や足を身体の横方向に広げたポジションのことなので、両腕を横に広げたポジション↓です。
『アラセゴン』は腕だけでなく、脚の動きやポジションについても使われる言葉なので、「=横へ」とすぐに浮かぶよう覚えておくとよいと思います。
⑤アロンジェ
⑤ アロンジェ=『allonge』。
フランス語の『allonge』は状況によって幅広く使われるようで、仏語の知識が無いに等しい筆者には、その意味を一言で表すことができないのですが。。。
バレエでは「長く伸ばす」意味で使われます。
単に「伸ばす」のではなく、「どこまでも長く伸びやか~に伸ばす」、英語で言うと『ストレッチ・アウト』していくイメージ。
ゆえに、『腕をアロンジェする』というのは、『腕をストレッチアウトする』、と同義と言えます。
↓"アンオー"にした腕を"アロンジェ"させた時のイメージ。
手のひらを内向きにして丸くカーブを描くよう軽く曲げていた肘を支点にして、手の平が外向きになるよう方向転換、そのまま指先が遠くへ遠くへ…と引っ張られるかのように、長く長く伸ばしていきます。このとき、伸ばした腕につられて肩や身体まで持っていかれてはいけません。呼吸と連動させて行うことも大事なポイントです。
筆者は"アロンジェ"の時、鳥が羽ばたく時に翼を拡げるように、このまま飛んでいけそうなくらい伸び伸びと~!とイメージするよう心掛けています^^。
腕のポジション、"正解"の形はいろいろ。
ここまで腕のポジションについて述べましたが、『良い』とされる形は、流派や踊りの雰囲気・振付などによりさまざまです。
例えば、"アンナバン"のポジションひとつとっても、前出のイラストでは胸と同じくらいの高さとなっていますが、デコルテ~胸を広く美しく見せるために腕を下げ気味にするように、と仰る先生もおいでです。
また、バレエの舞台を鑑賞していても、スタイルの違いが腕遣いにも見て取れることがあって、興味深いです。
いかがでしたか?以上、『腕のポジション・基本の5つ』でした。
これで文頭に引用した先生の言葉はかなり理解できますね!
~reverence~