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はじめてナビ| バレエシューズ選びのポイントを詳しく!

2023/06/09

バレエのレッスンに欠かせない『バレエシューズ』

こればっかりは代わりの効かないバレエ特有のアイテムです。

普通の靴と形も素材も全く異なるバレエシューズ、何を目安に・どれを選べばよいのか、わからない…と迷われる大人バレエ初心者の方も多いのではないでしょうか。

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筆者が25年ぶりにバレエを再開した際にも、子供時代と比べてあまりにも幅広くなっていた選択肢に、バレエ用品店でしばし呆然としたものです…

ということで、この記事ではあまたある選択肢の中から、自分に合ったバレエシューズを選ぶための『バレエシューズ選びのポイント』についてまとめました。

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『バレエシューズ』のタイプ

『バレエシューズ』は、以下の要素により分類されます。

1.素材
2.サイズ
3.ソール のタイプ
4.引き紐・甲のゴム のタイプ
5.色
6.メーカー

それぞれの項目を組み合わせると幾通りもタイプがあってお店で迷ってしまうので、ご購入前にある程度ご自身に合いそうなタイプに目星をつけておくとよいですよ^^。

では、1から順にくわしくお伝えしていきます。

1.素材 ― 布? or 革?or コンビ?

レッスンで着用するバレエシューズの素材は3種。

① 布=キャンバス地
② 革=レザー
③ キャンバスと革のコンビネーション

(※サテン生地で作られたものもありますが、主に舞台用なのでここでは説明を省きます。)

複数のスタジオでレッスンを受けた経験がある筆者がざっと見た限りでは、布製を愛用する方が8~9割くらいを占め、残りの1~2割は"布・レザーコンビ派"か"フルレザー(革)派"といった印象です。

①布=キャンバス地製のメリット・デメリット

【メリット】
◎通気性が良い
◎吸水性がある
◎安価(1500円~2000円台が中心価格帯)
◎軽い
◎足になじみやすい
〇お手入れがしやすい(一般には"洗濯不可"ですが、自己判断で^^)

【デメリット】
△耐久性にやや劣る(レザーと比較した場合)
△汚れやすい

バレエシューズに用いられる『キャンバス地』は、コットン×伸縮性を出すポリウレタンの混紡であることがほとんどです。

布地による違いも履き心地や軽さにかなり影響するため、少し説明を加えます。

布地はメーカーやモデルによってさまざまですが
 ①厚手の生地
 ②薄手で目の詰まった生地
 ③ストレッチを強めに効かせた生地
の3種に大きく分けられます。

➀厚手の生地
厚みがあるほど"足を保護する感じ"は増しますが、耐久性については、筆者の経験上、厚みがあるほど優れる、とも言えない気がします。(厚みよりは"目の詰まり具合"に関連性を感じます。)

➁薄手の生地
薄手の生地は、足裏で床が感じられ、足へのフィット感も良いのですが、クッション性とサポート力に劣る傾向があります。

➂ストレッチ性の高い生地
ストレッチを強めに効かせた生地は、フィット感が得られる一方、足指を広げにくく締めつけ感を覚える場合もあります。

なお、さらなる通気性アップを狙って、土踏まずの部分だけメッシュが使用されているタイプもあり、夏場など蒸れやすい時期には好評なようです。

②革=レザー製のメリット・デメリット

【メリット】
◎耐久性がある
◎足当たりがソフト
〇足に合わせて伸びる
〇滑りにくい(グリップ力がある)

【デメリット】
×通気性・吸水性に劣る
×高価(布製+1000円ほど)
×洗濯不可
△床を感じにくい

柔らかで足を保護する感覚があり、耐久性もあるレザー製ですが、一方で、足裏で床を感じる感覚が得にくい・厚みがあるので"もたつき"が気になるという方もいらっしゃいます。

"もたつき"と通気性を改善するために、土踏まず部分のみ布を使用しているモデルもあります。

③キャンバスと革のコンビネーションタイプのメリット・デメリット

【メリット】
◎革と布、双方のメリットが取り入れられている

【デメリット】
×洗濯不可
△選択肢が少ない
△生地感の異なる素材の組み合わせに違和感を感じることも

革と布のいいところを合わせようと作られたのが『キャンバスと革のコンビネーションタイプ』
通常、土踏まず~つま先がレザー、残りの部分はキャンバス地で作られています。
価格帯はキャンバス地とフルレザーの中間ぐらいです。

単一素材のものに比べて、製造しているメーカーやモデルが少ないため、選択肢は少なめです。

2.サイズ ― 数字にこだわらず・必ず試着を

バレエシューズのサイズ感は、普通の靴とは大きく異なります

メーカーによって、さらにはモデルによって、素材や造りの違いでサイズ感が全く異なることも珍しくありません。
最初の1足からベストなサイズ選択をするのは難しいかもしれませんが、以下にサイズ選びのポイントを挙げます。

ちなみに、一部のモデルを除いて、バレエシューズには左・右の別がありません

試着するか、交換可能なお店で購入すること。(初めて購入する製品の場合は試着必須。試着のポイントは後述。)

◆実際のレッスンでタイツやソックスを履く場合は、できるだけ試着の時もそうする。

サイズの数字にこだわらない。(目安としては普通の靴+1㎝~2㎝くらい)

◆サイズは同じでも幅が異なると着用感も全く異なる。必ず幅違いも試してみること。

見た目サイズの印象と着用した際のサイズ感に大きなギャップがあるので見た目に惑わされない。(引きゴムの有無や甲のゴムの有無・取り付け方、折り畳み方で、袋に入っている新品が大きくor小さく見えます。

履きこみ口まわりの引きゴムや甲のゴムを調節することにより、"フィット感"はかなり調節できる。試着では思い切り引きゴムを引っ張ったり、甲のゴムを留めてみたりすることができない場合が多いので、とにかく足の長さと足幅について確認する。

フルレザー製の場合は着用すると伸びることを見込んで選ぶ。(かなり伸びるという話も聞きます。)

バレエでは、足指や足裏を床に押しつけるように使う動きが多いので、シューズの中で足指が縮こまっていてはいけません。
とはいえ、サイズに余裕を持たせ過ぎると中で足が滑ってしまい、踊りにくいばかりかケガにもつながりかねません。

できるかぎりしっかり時間をとって、以下のポイントを参考に試着なさってみてください。

★試着の確認ポイント★
●足裏をベターっと床につけるようにして立ったとき、足指をまっすぐ伸ばせるか・詰まり感は無いか(足指を曲げることなく着用できるか)
●足指を軽くパーにできるか
●生地にギャザーが寄ったりだぶついているところはないか
●シューズの中で足が前後左右に滑らないか


試着の時と実際のレッスンでの印象にはどうしてもギャップが生じがちです。
まずはベーシックなものを1足購入し、実際のレッスンで何度か使用してみたうえでベターな1足を探してみてください。

.ソールのタイプ - フルソール?orスプリットソール?

ソールのタイプには、①フルソール ②スプリットソールの2種があります。
それぞれの特徴は以下のとおり。

①フルソール

足指の付け根あたり~かかとまで、長く伸ばしたひょうたんのような形の1枚につながったソールが張られているタイプです。

サポート力とクッション性があるため、子供や初心者に向くとされています。
『足裏を使う感覚』がつかめるまでは、こちらのフルソールを推奨しているメーカーが多いようですが、大人バレエのクラスに限って言えば少数派な気がします。

②スプリットソール

BLOCH pump and proelastic sole

足指の付け根あたり ・ かかと の2カ所に、丸みを帯びたソールが用いられているタイプです。

画像は2足ともスプリットソールですが、メーカーやモデルによりソールの形が異なるのがお分かりいただけると思います。

足に美しいアーチを描かせるため、前後2つのソールをつなぐ縦ラインにギャザーが寄せてあったりゴムが仕込んであるモデルもあります。

ポワントしたときの足裏のアーチが美しく出やすい、操作性が良いなどの利点がある一方で、サポート力にはやや劣るので、"足裏を意識して使える"経験者向けとされています。

なお、ソールの形にかかわらず、クッション性のある素材がソールと生地の間に挿入されているものもあります。
また、布地が薄いものの場合、かなり裸足に近い感覚になります。

ソールの形やクッション性、シューズ全体の布地により、履き心地がかなり違ってくるので、外観だけで判断せず、とにかく試着してみることをおすすめします。

4.引き紐と甲のゴムのタイプ

引き紐と甲のゴムのタイプは以下のように分類できます。

【引き紐=ありorなし】

●引き紐あり
履き口のまわりにぐるっとゴム通しがあり、引き紐を引いて調節できるタイプ。着用ごとに引き紐を引いて結び、ゴムをシューズに押し込む、という動作が必要。⇒これが面倒だという方も。
※ちなみに、結んだ引き紐はバレエシューズの中に収めこみ、外から見えないようにして履きます。

●引き紐なし
履き口のゴム通しにゴムが通してあるか、直接ゴムが縫い付けてあるタイプ。自在に調節はできないが、ほぼワンアクションで履くことができ、足に合うものが見つかれば(=試着必須)フィット感抜群なところが特長。⇒履き口のゴムがきつい/ゆるいなど、自分の足に合わない場合もある。

【甲のゴム=2本クロスor1本】

●クロスタイプ
2本の平ゴムを甲のあたりでクロスさせるタイプ。(大人の場合こちらが多数派。)

●横1本タイプ
"上履き"のように、甲を横切る平ゴムが1本のタイプ。

左右2カ所ずつ4カ所縫い付けのクロスタイプのほうが、安定感はあると思われますが、これについては好みで選んでよいと思います。
自分でゴムを縫い足してカスタマイズする方もいらっしゃいますよ。

また、出荷時に甲のゴムが縫い付けられていないシューズもあります
すぐに履きたい場合には要注意!
お裁縫道具やシューズの色に合った糸の用意が必要になってちょっと面倒です…^^;

甲のゴムの縫い付け方は、こちらの記事でお伝えしています。

5.色

モデルにもよりますが、大別してピンク・薄茶系・黒・白を製造している場合が多いです。
一番多く製造されているピンクは、サーモンピンク・ベビーピンク・ロイヤルピンクなど、メーカーやモデルにより色味も呼び名もさまざまです。

女性はピンクや薄茶系(というか、肉色というか…)を着用している場合がほとんどですが、カジュアルなスタジオでは黒を履いている方も見かけます。

教室やスタジオの雰囲気、レッスンウエアに合ったものを選んでください。

6.メーカー

国産メーカーには日本人の足形や好みを知り尽くした製品作りが期待でき、海外メーカーのものは、色・形・サイズのバリエーションが豊富な傾向があります。
以下に代表的なメーカーを挙げます。

【日本のメーカー】
チャコット
シルビア

【海外のメーカー】
●Sansha(サンシャ)―日本で最も手に入りやすい海外バレエ用品メーカーのひとつ。比較的手ごろな価格設定。
●BLOCH(ブロック)―こちらも取り扱い店が多く、人気のメーカー。
●Capezio(カペジオ)―アメリカの老舗メーカー。ウエアも人気です。
●Grishko(グリシコ)―ロシアの有名メーカーです。
●Reart(レアルト)―日本では『ドゥッシュドゥッスゥ』というバレエ用品専門店で取り扱いあり。
●Angelo Luzio(アンジェロ ルツィオ)―『ウェンディー』というモデルが人気のようです。
●FR DUVAL(FR デュヴァル)―『パリス』というモデル(足裏にゴムをまわして履くタイプ)が人気のようです。

バレエシューズのお手入れと取り扱い

着用後は、汗でムレて床の汚れも拭きとってしまっているバレエシューズ…
できるだけ気持ちよく・長く使うためのポイントを挙げました。

●引き紐がある場合、使用後は毎回ほどいて伸ばしておく

●汗を吸っているので、乾燥させることが必要。陰干しする・靴用の乾燥剤を入れておくなどして、湿気を取り除く。

●汚れが気になる場合は、固く絞った布で拭く。

洗濯(水洗い)について

筆者はあまり細かいことはこだわらないタイプ&「固く絞った布で汚れが取れる…?」と懐疑的^^;なので、メーカーサイドが禁物としている水洗いをしています。(ソールの革が水を嫌うとの見解。)

どのみち穴が開いて半年~1年ほどで買い替えること、やや縮むものの履いているうちにまた馴染んでくること、何より水洗いでさっぱりきれいにしたいこと、が水洗いの理由です。

おしゃれ着洗いと同じ要領で、洗濯桶におしゃれ着用洗剤を溶かして手洗いし、お天気の良い日に陰干ししていますが、失敗の経験はありません。
とはいえ、メーカーは推奨していない方法なので、自己判断でお願いします^^。

ご参考に☆バレエ用品のお店

チャコット
シルビア
イーバレリーナ
ミニヨン
ミルバ
ダンスネッツ
ドゥッシュドゥッスゥ
レペット
フェアリー

いかがでしたか?

本当にたくさんの選択肢があるバレエシューズ。

これ!といったバレエシューズに巡り合えるまで、何度か失敗もあるかもしれませんが、失敗シューズも『参観日』や『体育館での行事』用にしたり、防災グッズとして非常用袋に入れておいたりと、案外使い道があります。

足の形や好み、バレエを習う目的やレッスンの頻度、技術的レベルに合わせて、ご自身に合った&気分がUPするものが選べるといいですね!

~reverence~

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