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バレエ作品|『真夏の夜の夢』あらすじ・登場人物など

2017/09/10

バレエ作品『真夏の夜の夢(The Dream)』のあらすじ・登場人物・見どころなどについて、まとめました。
 
 

~筆者注~
このブログ内の"バレエ作品"の紹介記事は、舞台鑑賞(ライブ・DVD・映像作品)に先立って作品についての理解を深めるため、もしくは鑑賞後の振り返りとして、筆者が個人的に調べた内容を備忘録として書き留めたものです。

振付・演出によって同じタイトルであっても設定やストーリー展開が大きく異なる場合があるため、この記事の内容が全てのバージョンを網羅するものではないこと、また、内容の正確性については慎重を期しておりますが、あくまでも"個人の調べもの"の域であることをご了承くださいませm(_ _)m
  
 


 
 

『真夏の夜の夢(The Dream)』登場人物・あらすじ・作品の背景

作品の概要

◆原作:シェークスピアの小説『真夏の夜の夢(A Midsummer Night's Dream)』。

◆音楽:F.メンデルスゾーン(版により他の楽曲追加あり)

◆バレエ作品タイトル:『A Midsummer Night's Dream』『The Dream』『真夏の夜の夢』『夏の夜の夢』など
(版や翻訳の違いにより複数の表記が存在。ここでは日本語タイトルとして最も一般的な『真夏の夜の夢』を邦題として記載。)

◆振付(版):G.バランシン(1962 NYCB)、F.アシュトン(1964 英国ロイヤル)、J.ノイマイヤー(1977 ハンブルクバレエ)、L.ケンプ(1979 リンゼイ・ケンプ・バレエカンパニー) など

 

 
 

『真夏の夜の夢』主な登場人物

オベロン:妖精の王。

ティターニア(タイターニア):妖精の女王。

妖精・パック:いたずら者の妖精。オベロンに命じられて魔法の花を取りに行く。

ハーミア:人間の女性。ライサンダーと相思相愛の仲。

ライサンダー:人間の男性。ハーミアと相思相愛の仲。

ヘレナ:人間の女性。かつて恋人だったデミトリアスを今も思っている。

デミトリアス(ディミトリアス):人間の男性。ハーミアに恋している。

ロバ/ボトム:妖精パックのいたずらにより、ロバに姿を変えられた人間(ボトム)。

 
 

『真夏の夜の夢』あらすじ

※最も一般的と思しきストーリーを記載しました。

~Balletholic的・100文字deあらすじ~

ギリシャの森の中にある妖精の国を舞台に、妖精の国王夫妻と2組の人間のカップル、いたずら者の妖精パックを中心に繰り広げられる、ちょっとフシギな恋愛ドタバタ・ファンタジーです。

 

~あらすじ・もうちょっと詳しく~

舞台はギリシャ・アテネの森の中。妖精の国を治める妖精の王オベロンと女王ティターニアがさらってきた美しい少年を取り合ってケンカをしている。

少年を渡そうとしないティターニアを懲らしめようと、オベロンはいたずら者の妖精パックに命じ、"その花がまぶたに触れると目覚めて最初に目にした人に恋してしまう"という魔法の花を手に入れさせる。

首尾よく魔法の花を手に入れたパックだったが、森に迷い込んだ人間にその花を用いてしまう。手違いでカップルの組み合わせがあべこべになってしまい、男女4人の恋愛関係は大変なことに!

一方、オベロンは、昼寝を愉しんでいる女王ティターニア魔法の花を使う。ティターニアが目覚めた時そこにいたのは、一匹のロバ。花の魔力でロバに恋してしまったティターニアは幸せそうにロバと踊る。そのロバは、妖精パックによってロバの姿に変えられていた人間・ボトムだったのだが。。。

パックのいたずらのせいで、もつれにもつれている人間の男女4人の恋愛関係。収拾をつけんと、オベロンは全ての魔法を解く。(版により、魔法の解かれ方はかなり異なる。)魔法が解かれると、全てのカップルがあるべきところに収まり、大団円。

有名な"結婚行進曲"に乗って、幸せなカップルを中心とした踊りが展開され、終幕となる。

 
 

 

作品についてのアレコレ

 

『美しい子供をさらう』とは?

腑に落ちない点がありすぎて、筆者的にまるで入り込めないストーリーの『真夏の夜の夢』。

そもそもなんで"美しい子供"をさらってくるの?それを取り合ってケンカって…?

で、ちらっと調べてみたところ…

中世ヨーロッパでは、美しい子供(とりわけ金髪の)は妖精を惹きつけ連れ去られると、いう言い伝えがあったそうです。妖精によって連れ去られた子供の代わりに"Changeling"と言われる身代わりを置いて行った、とする話も。

日本で言う"神隠し"のようなことでしょうか? 個人的には、悪人による誘拐や口減らしなどによる"突如の失踪"をカバーするための作り話が言い伝えとして伝承されていったのでは?なんて思いますが。。。

さらっと流しちゃえばいいのかもしれませんが、『人さらいはイカンよ…』と気になっちゃって、心から踊りを楽しめない筆者なのであります。
 
 

振付("版")により大きな違いが!

近年のバレエ上演では、バランシン版(2幕)もしくはアシュトン版(1幕)が主流なようですが、ノイマイヤー版のようなフルレングスの作品もあり、同じ話を基にしながらも登場人物や話の拡がり方がところどころ異なっています。

原作となったシェークスピアの小説では、結婚式を控えたアテネの公爵とアマゾンの女王のもとに、ハーミアの父イージーアスが娘の結婚のことで相談をしにくるところから始まるそうで、このアテネの公爵とアマゾンの女王も主要キャストに加えた版もあります。

また、英国ロイヤル上演が多いアシュトン版では、ロバ役のダンサーがポワントで踊る場面もあるそう。

ということで、どの版を見るかによって、全く異なった印象となりうる作品なんですね。

 
 

バレエ作品『真夏の夜の夢』のみどころ

バレエの題材として理想的な"妖精の世界"

支離滅裂でなんでもありなストーリーではありますが、"妖精の世界"って、バレエ作品の創り手の創造意欲を掻き立てる格好の題材なんでしょうね。

確かに、妖精の世界&バレエという組みあわせは相性がすごく良いと思います。衣装や踊り方(振付)で"立ってる"キャラクターがいくつも作れるし、現実世界ではちょっと無理のあるストーリー展開や設定も、妖精ワールドだからOK!みたいなとこもありますし^^;。

ストーリーについてはコテンパンに書いてますが、やはりこの作品はストーリーを追うよりも、妖精の世界観をベースにファンタジックでキャラの立った踊りを愉しむのが良いかな…なんて思います(あくまで筆者の個人的意見ですが)。

 

可愛らしくファンタジックなキャラクターたち!

ということで、妖精の世界観をベースにファンタジックでキャラの立った踊りを愉しむ、と割り切ってしまえば、とても心浮き立つ作品だと思います。

いろんな種類の妖精たちの、触角と羽根をつけた色とりどりの衣装を見ているだけでも楽しいし、妖精の世界を表す演出や舞台装置もみどころ。時にバレエ学校の子供たちも加わっての妖精ワールドは、スケールの大きなファンタジーの世界。幻想的で観飽きません。

 

あの"結婚行進曲"でバレエの踊りが♪

『パパパパーン』で始まる、『結婚行進曲』。大団円となったエンディングは、かの有名なあの曲にのせた踊りで締めくくられます。

結婚式のイメージが強すぎて、ちょっと違和感あるかも?!ですが、あの音楽でバレエを踊るとこんな風になるんだ!と新鮮です。

(既に強い印象がついている音楽がバレエの舞台で使われ、それがそれまでの印象を覆えす感じの踊りだったりすると、アタマが混乱しちゃうのは筆者だけではないですよね…?)

※ちなみに、「ターンタータターン、ターンタータターン」で始まる方は、ワーグナー作曲の結婚行進曲(正しくは『婚礼の合唱)です。

  
 

バレエ作品『真夏の夜の夢』について、いかがでしたか?
筆者的に、『惚れ薬でハチャメチャ系』『身体と心が入れ違いになっちゃった系』が題材の物語には、どうしても入り込めない(あり得な過ぎて冷めちゃう)ので、ストーリーについてはかなりキビしい書きようとなりましたが、一大妖精ワールドを愉しむにはとっても楽しく可愛らしい作品だと思います。ぜひいろんな版を見比べたいものです!
 
~reverence~
 
 

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