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美しきダンサーたち| 上野 水香(Mizuka Ueno)@東京バレエ団

2017/01/16

人間はこうも美しくなれるものなのか…とため息をつきたくなる、バレエ・ダンサーたち。

舞台の上では人間離れした存在に思える彼らですが、素顔を少し知ると親しみが沸き、バレエ鑑賞がさらに興味深く楽しくなります。

今回は、舞台のどこにいても一目でわかってしまう日本人離れしたプロポーションと天性の柔軟性、クラシックからコンテンポラリーまで幅広い作品でさまざまな表情を見せる一方で、ファッション誌やCMなどにも出演、バレエ・ファンでなくとも広くその名を知られている、東京バレエ団の『上野水香』さんについて書きたいと思います。

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東京バレエ団| 上野 水香(Mizuka Ueno)

プロフィール

◆名前:上野 水香(Mizuka Ueno)
◆出身:神奈川県鎌倉市(出生地は兵庫県神戸市)
◆生年月日:1977年12月23日(39歳・2016年9月現在)
◆星座:山羊座
◆所属:東京バレエ団
◆階級:プリンシパル

 

SNS公式アカウント

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◆公式ホームページ『MIZUKA UNEO official site』⇒ コチラ

 

略歴

【幼少期~バレエ団入団まで】
◆1983(5歳) 地元・鎌倉でバレエのレッスンを始める。翌年、小倉佐知子バレエスタジオに入所。
◆1988(10歳)AMスチューデンツに第14期生として入会。牧阿佐美、三谷恭三に師事。
◆1993(15歳)ローザンヌ国際バレエコンクールにてスカラシップ賞を獲得。その後、モナコのプリンセスグレースクラシックダンスアカデミーに2年間留学。マリカ・ベゾブラゾヴァに師事。
◆1995 同アカデミーを首席で卒業。

 
【牧阿佐美バレエ団時代】
◆1995 牧阿佐美バレヱ団に入団。
◆1997 「くるみ割り人形」金平糖の精でデビュー。
◆1999 「ローラン・プティとスター達」ガラ公演に参加。「白鳥の湖」(オデット/オディール)に初主演。
◆2001 プティ新作「デューク・エリントン・バレエ」に出演。
◆2002 ミラノ・スカラ座バレエ団「ノートルダム・ド・パリ」にゲスト出演。エスメラルダを踊る。ナポリ・サンカルロ劇場バレエ「デューク・エリントン・バレエ」にゲスト出演。
◆2003 「ロメオとジュリエット」を踊る。「ローラン・プティ・グラン・ガラ」に出演、「ノートルダム・ド・パリ」、「チーク・トゥー・チーク」を踊る。

 
【東京バレエ団への移籍~現在】
◆2004 東京バレエ団に移籍。モーリス・ベジャールの「ボレロ」を踊る。
◆2006 第11回世界バレエフェスティバル全幕特別プロ「白鳥の湖」に主演。
◆2007 神奈川県観光親善大使に就任。
◆以後、現在にわたり、東京バレエ団の顔として数々の作品に出演。海外への招聘やゲスト公演も数多い。

 
【主な出演作】
◆クラシック作品『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』『ジゼル』『ドン・キホーテ』他
◆ベジャール振付『ボレロ』『ザ・カブキ』『バクチIII』他、ローラン・プティ振付『ノートルダム・ド・パリ(エスメラルダ)』『デューク・エリントン・バレエ』『チーク・トゥー・チーク』『ピンク・フロイド・バレエ』他、アシュトン振付『真夏の夜の夢』他。

 
【海外バレエ団・ガラ公演等への出演】
◆海外バレエ団ゲスト出演 ミラノスカラ座バレエ団、チリ・サンチャゴバレエ他、多数
◆ガラ公演 『ルグリと輝ける仲間たち』、『ユースアメリカ・グランプリ2008ガラ公演』、『マラーホフ&フレンズ』、『ベジャール・ガラ』、『マニュエル・ルグリの新しき世界』、『マラーホフの贈り物』、『ニジンスキー・ガラ』『マラーホフ&フレンズ』『ボッレ&フレンズ』『世界バレエフェスティバル(2009、2012、2015)』他、多数

 
【受賞歴】
1993  ローザンヌ国際バレエコンクール スカラシップ賞
1996  世界バレエ&モダンダンスコンクール 金賞
2000  舞踊批評家協会 新人賞
2001  神奈川文化賞 未来賞
2002  文化庁 芸術選奨文部科学大臣 新人賞
2002  東京新聞 中川鋭之助賞
2003   服部智恵子賞
 
 

ダンサーとしてのエピソード、批評など

◆2004年、東京バレエ団移籍したその年に上野さんが踊ったのは『ボレロ』の"メロディ"
ベジャール版『ボレロ』は、モーリス・ベジャール・バレエ団が許可したバレエ団のみに上演が許され、舞台中央の赤いテーブル上にひとり立つ"メロディ"は、ベジャールが指名した、限られたダンサーしか踊ることができません

"メロディ"を踊ってきたのは、ジョルジュ・ドン、マイヤ・プリセツカヤ、シルヴィ・ギエムなど、優れたダンサーであるばかりでなく抜きん出た個性をもつダンサーばかり。そんななか日本人女性ダンサーで唯一『ボレロ』の"メロディ"を踊ることを許されている上野さんは、世界レベルでその実力と個性を認められていると言えるでしょう。

◆フランス人振付家の巨匠ローラン・プティは、『彼女の手足は、音楽を奏で言葉を語る』と彼女の踊りを絶賛した

15歳で出場したローザンヌ国際バレエコンクールでは、解説を担当していたパリオペラ座バレエ学校のクロード・ベッシー校長(当時)が以下のようにコメントしています。

『15歳なんて信じられない、12歳くらいに見えますね。筋肉は華奢そのもの、かぼそくて足先もできたてのほやほやみたい。(彼女のそんな初々しさがあってこそ)心にしみるさわやかさがある』『彼女は私の心を打つんです。。(コンテンポラリーの振付について)あんな甘ったるいことを真剣にやって…彼女のポイントにはなりませんね。』

超辛口のコメントで、もはやローザンヌ名物のようになっていたベッシー校長(懐かしいな…)も、上野さんの踊りについてはグッドコメントを残しています。
 
 

上野さんの素顔は?プライベートライフなど

◆公式サイトなどには記載が見当たりませんが、ネット上の情報によると、身長は170㎝、体重45kgくらいとのこと。

◆2010年11月に東京バレエ団のプリンシパル・芸術監督補でありパートナーであった高岸直樹さんと入籍。

◆2016年4月放送のTV番組Eテレ『switch』はじめ、過去のインタビューなどで、『私は日本人なので日本を活動拠点にして、まず日本の人に自分の踊りを見てもらいたいと思う気持ちが強い』ということを繰り返し話している。

ラインブログ(2016年6月~)にアップされた記事から垣間見えた、上野さんの素顔を物語るエピソードを少し。

『カメさんのぬいぐるみ』をお守りとしていつも持ち歩いている。(海外や舞台袖にまで^^とっても大事にされているようです。)

甘いものや炭水化物、お肉が大好き(いちごポッキーなどのお菓子、クレープ、パンケーキ(それも「はちみつバターリコッタチーズ」!なかなかヘビー!))で、ちょこちょこブログにも食べ物画像をアップ!

神奈川観光大使として、たすき掛けでイベントに参加も!動物愛護の活動にも参加。

シルヴィ・ギエムさんの大ファンを自認。かつては"追っかけていた"そう。初めて会った時は泣き出してしまったというお話も。

趣味はドライブ。鎌倉や湘南方面がお気に入りのご様子。

○愛用のトウシューズのひとつは、『バレリーナ』というメーカーのもの。作品によってメーカーを替えているそう。

 

ぜひご覧いただきたい、Youtube動画リンク集

東京バレエ団「ボレロ」[モーリス・ベジャール振付]より

『ボレロ』を踊る上野さんの動画。(NBS/日本舞台芸術振興会配信)
2011年2月の東京バレエ団公演のプロモーション用の映像です。

2011年以前のいつごろの踊りかは不明ですが、どこまでも伸びやかな長い手脚、女性らしい柔らかさとしなやかさが同居した踊りがネコ科の動物を思わせます。

上野さんパートに引き続き、同バレエ団の高岸直樹さん(旦那さま)⇒後藤晴雄さんと『ボレロ』数珠つなぎになっているこの動画、色んなダンサーの『ボレロ』を見比べるのが好きな筆者にとってとても興味深かったです。

東京バレエ団・ブルメイステル版「白鳥の湖」リハーサル

2016年2月公演のプロモーション動画。 上野さん登場は0:58あたりから。黒鳥/白鳥リハーサル風景が観られます。

 

DVDで上野水香さんの踊りを、高画質で&繰り返し楽しみたい方は

◆上野水香&マルティネズ 東京バレエ団「白鳥の湖」(全幕)2006年収録 [DVD]


上野水香&マルティネズ 東京バレエ団「白鳥の湖」(全幕) [DVD]

2006年7月、世界バレエフェスティバルの記念すべきオープニングを飾った特別プログラム、東京バレエ団による『白鳥の湖』全幕の様子を収めたDVD。上野水香さんとパリ・オペラ座エトワールのジョゼ・マルティネズさんによる初顔合わせ作品です。

 
◆上野水香&フリーデマン・フォーゲル 東京バレエ団「ジゼル」(全幕)2009年収録 [DVD]

上野水香&フリーデマン・フォーゲル 東京バレエ団「ジゼル」(全幕) [DVD]

東京バレエ団の創立45周年を記念して行われた『ジゼル』全幕公演。
パートナーは日本でも人気が高いシュツットガルト・バレエ団のフリーデマン・フォーゲルさんです。『ジゼル』について語る主役2人のインタビューも収録されています。
 
 
 

筆者からひとこと

◆上野水香さんの存在を知ったのは、確かファッション誌だったような。それまでの日本人バレエダンサーのイメージを覆す、プロポーションのすばらしさ、顔の小ささ、脚のしなり具合、すべてに"ビックリマーク"が3つ『!!!』とつくほどの衝撃でした。

◆牧阿佐美バレエ団時代に、『デューク・エリントン・バレエ』の公演で初めて踊りを拝見して、またまた『!!!』。
何の苦もなさげに気持ちよくびよーーんと180度以上上がってしまう脚、ネコのように色や大きさが変わって見える眼ヂカラの強さ、ついつい目で追ってしまう存在感。。。舞台の真ん中に立つために生まれてきたような方だなあ…と感じ入りました。

◆2015年にはイベントで、超・間近にご本人を拝見する機会に恵まれました^^ その時の、自然体で全く気取ることのないお人柄の良さ、華やかなのに穏やかさもあるオーラにすっかり魅了されてしまいました! 

 
 
 
上野水香さんについて、いかがでしたでしょうか?
アラフォー世代とは信じがたい、全く衰えない美しさとバリバリの現役感。彼女が踊るのを止める日が来るなんて、想像すらできませんが、ギエムのように50歳まで、いやもっと頑張ってほしい!

今回、記事を書くにあたってブログなどを拝読すると、バレエ以外の面では本当に普通の可愛らしい女性、という印象の彼女。
しかし、海外のバレエ団から『絶対に大スターになれる』と入団のオファーがあったにもかかわらず、あえて日本のバレエ団に所属し、日本人として踊ることを選んだあたりに、強い意志と思慮深さの持ち主であることが現れていると思います。

末永く、ご活躍されますように!!!

 

~reverence~

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