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6つのバレエ団のくるみ割り人形『雪のワルツ』を見比べてみたら!

2017/01/29

クリスマスシーズンは、『くるみ割りシーズン』なのです。

バレエ愛好者にとっては『クリスマスシーズン=くるみ割りシーズン』、ですよね!

踊りもチャイコフスキーの音楽も、どの場面を切り取っても鮮やかで印象的なこの作品。

子供も大人も世代に関係なく楽しめることもあって、冬の定番上演作として世界中のバレエ団でさまざまなバージョンで踊られています。

(『くるみ割り人形』のあらすじ(ライト版ですが)はこちらの過去記事をごらんください。)

 

『雪のワルツ』バレエ団による違いは?見比べてみることに。

中でも『雪のワルツ(The Waltz of Snowflakes)』は、"雪が降るさま"を音楽でここまで表現できるなんて!と、改めてチャイコフスキーの天才ぶりに敬服する名曲です。

バレエ『くるみ割り人形』では、『雪の踊り』(『雪片の踊り』『雪の精の踊り』などさまざまな呼び名あり)として、空から舞い落ちる雪たちの踊りが見どころのひとつとなっています。

筆者も"雪のワルツ"が大好き!ということで、今回はさまざまなバレエ団による『雪のワルツ』の踊りを見比べてみました。

 

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英国ロイヤルバレエ:陽性な"雪の精"たちの踊り

裾がギザギザカットのロマンティックチュチュ(スカート丈が長いほうのチュチュ)、ゴージャスなヘッドアクセサリー、髪の色までプラチナゴールドで揃えていて、なかなか凝った英国ロイヤルバージョンのコスチューム。

"雪そのもの"というよりは"雪の精"をイメージしているのか、晴れやかな表情に"優しく二人を見送る雪の精"という印象を受ける雪の踊りです。

クララは現ソリストのメーガン・グレース・ヒンキス、王子はリカルド・セルベラ。雪の精の中には金子扶生さんやヤスミン・ナグディ、エリザベス・ハロッドの姿も!豪華メンバーです。

 

 

マリインスキー・バレエ:冷たく美しい"雪そのもの"を表現?

腕のポンポン飾りが印象的なマリインスキーのコスチューム。クラシック・チュチュの色は照明効果も相まって青白くさえあるほど白く(蛍光塗料も使ってあるような気もする。。)、冷たい空気感がでています。

踊り手の表情に笑顔はなく、まるで"雪そのもの"になりきっているかのよう。ロイヤルの"雪の精"に明るさが感じられたのとは対照的です。

クラシックバレエのフォーマットに乗せた規則性ある振り付けは、他バレエ団と比較すると保守的にも思われますが、これぞ古式ゆかしい"THEクラシックバレエ"という感じで、安心してみていられます。(最後に掃けていくところがちょっとオモシロいけど^^;。)

 

 

パリ・オペラ座:ジュエルズ?いえいえ、雪の結晶ですね!これは。

さすがパリ・オペラ座!とうならせる、シックかつデザイン性の高いコスチュームは、ひとりひとりが主役級のゴージャスさ!("ジュエルズ"の衣装といわれても不思議じゃないくらい。)

その他に類を見ないコスチュームと、シャープで万華鏡のような幾何学的美しさが感じられる踊り(見ていて飽きない!)からして、これは雪の結晶をイメージしたのだと推察しましたが、、、合ってます?

こちらの映像↓は"雪の踊り"全篇がみられますが、画像が悪いです。


こちら↓はオペラ座公式の宣伝用トレイラー。衣装の細部や舞台全体の色合いがよくわかります。(ドロテ&ガニオのくるみ割り…観たい…!)

ちなみに、英語では『The Nutcracker』の『くるみ割り人形』ですが、フランス語では『Casse-Noisette(割る-ヘーゼルナッツ)』なんですね。どおりで検索しても見当たらないと思った…^^;

 

ベルリン国立バレエ:頭の飾りに目がクギ付け!^^;

こちらはかつて中村祥子さんがプリンシパルとして活躍していらしたベルリン国立バレエの『雪のワルツ』。

冒頭に登場するクララ役は、同団のプリンシパルであり英国ロイヤルのゲスト・プリンシパルとしても知られるヤーナ・サレンコです。

こちらの雪の踊り、、、どうしても頭の飾りに目が行ってしまいます。その上、魔法の杖みたいなのも持っていて、正直ちょっとトゥーマッチ感が否めません^^;

とはいえ、可愛らしさは満点で、子供たちのバレエへの関心を大いに惹きそう。

 

 

ニューヨーク・シティ・バレエ団:静かに降り続ける粉雪のよう

タイトルに" Balanchine´s Nutcracker"とあり、バランシン振付なのだと思われます。

その先入観あってのことかもしれませんが、ただひたすらに粉雪が降るさまを踊りで表現したかったかのような、目立った趣向を敢えて施さないシンプルな踊りが写実的美しさを感じさせます。

2グループめの4人組が少しタイミングをずらしてポーズをとる登場(01:16あたり)のしかたが、次々と地上に舞い落ちる雪のようで、心惹かれました。

 

 

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ:初めて見た!男性登場のバージョン。

※映像はコチラをクリックでご覧ください。

かつて吉田都さんがプリンシパルとしてご活躍されていた英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ。(ちなみに都さんは英国ロイヤル・バレエでもプリンシパルを務められました。)

こちらの雪の踊りは、4:05あたりから男性ダンサーが登場するバージョン!

いきなりの男性ダンサーの登場にはちょっとびっくりですが、ふわりと宙を飛ぶジャンプは吹いては雪を巻き上げる風のようで、効果的!一見の価値ありです。

 

 

いかがでしたか?

同じ作品名の同じ曲を使った踊りでも、振り付けや解釈によって全然違う趣の踊りになりますよね!

こうして並べてみると、違いがよくわかって興味深いです。

…そういえば、子供の頃に発表会でこの曲を踊ったことを今思い出した筆者。だからこんなに気にかかるのね、この曲が…。

 

~reverence~

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