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バレエ@TV| オニール・八菜さんon『笑ってコラえて・意識マジ高い系なのに愛され女子SP』を見てあれこれ思う
2017/01/16
2016年8月3日夜・日本テレビ系列で放映の『笑ってコラえて・意識マジ高い系なのに愛され女子SP』に、パリ・オペラ座バレエ団のオニール・八菜さんがご出演されました。
所ジョージさん司会の人気番組『笑ってコラえて』。
ご存知の通り『○○の旅』というテーマで日本全国・世界各国の興味深い人たちや出来事を面白く伝えてくれる番組です。
コピペ記事のような造りのバラエティも多い中、この番組はかなりしっかり時間をかけて取材をしているなと感じさせられることが多い(『吹奏楽の旅』など)ので、ちょこちょこ見ます。
今回は大好きなバレエ団の一つパリ・オペラ座の、最近注目していたオニール・八菜さんが出演とあって、これは見逃すまい!としっかり録画。
パリ・オペラ座バレエ団 オニール・八菜さん登場回の内容
八菜さん登場コーナーのテーマは、『全世界ダブルなんだけどその一方が日本人の旅』。
以下、日テレHPより引用した、コーナーの説明です。
今回はバレエ界のアカデミー賞といわれる「ブノワ賞」を今年受賞した、23歳の舞姫・オニール・八菜さんに密着!
父はニュージーランド人、母が日本人。23歳という若さで世界最高峰のパリ・オペラ座バレエ団の頂点を目指す!
しかし、今の地位にいたるまでには当然、数多くの困難があった…、が!彼女はそれらを「全てプラスに変える運命」の持ち主だった!?」
八菜さん登場コーナーの放映時間は20分程度。内容は以下のような感じでした。
●八菜さんが受賞した「ブノワ賞」とは?(過去の受賞者としてシルヴィ・ギエムやベジャールが紹介される。授賞式での八菜さんの踊り(「エスメラルダ」のヴァリエーション)紹介。)
●取材班がパリに飛び、八菜さんを取材(ここから八菜さん出演)。
●パリ・オペラ座の内部紹介(ところどころ八菜さんによる紹介あり)。
●八菜さん出演の舞台『ジゼル』(ミルタ役)@パリ・オペラ座の映像。
●パリ・オペラ座の階級制についての説明(カドリーユ~エトワール)。
●エトワール、マリ=アニエス・ジローさんから・八菜さんについてのコメント。
●団員154人中140人が付属バレエ学校出身者である中、フランス人でもバレエ学校出身でもない彼女がどうしてオペラ座の団員になれたのか→そのルーツを探りに取材班はNZへ飛ぶ。
●NZに在住のご両親へのインタビュー。なれそめを紹介。(ニュージーランド人のお父様は元ラグビー選手・日本人のお母様は元JALのCA。お父様が日本のラグビーチームの外国人助っ人的な立場で来日していたときに知り合ったそう。)
●八菜さんの生い立ち、バレエを始めてから~現在に至るまでを紹介。→幼いころ見たバレエの舞台の音楽CDを買ってもらい、それに合わせていつも踊っていた。その時代に買ったギエムのDVD『シンデレラ』は「死ぬほど観た」そう。NZ移住後本格的に通い始めたバレエ教室ではいじめに遭った。ローザンヌではヴァリエーション冒頭でトウシューズのリボンが解け一度幕内に下がってからのやり直しとなりながらも1位獲得。ワガノヴァとフレンチスタイルのメソッドの違いに苦心しつつも、オペラ座には2度目のオーディションで団員合格(1度目は契約制扱いで入団)。1位通過した団員オーディションでは尻餅をついてしまったというエピソードも。
●団員合格後は、2014年にヴァルナ国際コンクールで女性銀賞獲得、団内ではカドリーユ→スジェ→プルミエール・ダンスーズと異例のスピードで昇格と快進撃中。今後はエトワールを目指して頑張ります!というコメントで終了。
八菜さんの踊りをYoutube動画で
◆2009年 ローザンヌ国際バレエコンクールでの踊り『ラ・バヤデール』(16歳・1位獲得)⇒Prix de Lausanne 2009 Selection 15-16 Years Old - Hannah O'Neill
前述の『冒頭でトウシューズのリボンが解けてしまった』時の踊りですが、リボンが解ける場面は見当たらないので、やり直した時の映像ですね。
◆2016年 Francetv Sport配信の⇒ 『Dans les pas d'une star de l'opéra』
全篇フランス語なのですが、『オペラ座のスターの足跡』といったタイトルです。
リハーサルやエクササイズに励む八菜さんの姿が垣間見られます。
◆2015年 Chacott配信の⇒ 『チャコット/レッグ・ウォーマーとニットについて オニール八菜 インタビュー』
上の動画ではフランス語を流暢に話しておられますが、日本語も達者でいらっしゃるんですね。
筆者の感想
冒頭こそ、『ダブルの人』って…?とひっかかりを感じたものの、なかなかな充実ぶりでした!
バレエやオペラ座についてあまり知らない人には、とてもわかりやすくオペラ座や彼女の踊りの特長などについて説明されていたし、ちょっとコアなバレエ・ファンにとっては、オペラ座でのレッスン風景(筆者はここで目が♡♡に)や八菜さんが舞台袖から『ジゼル』の舞台に出ていく場面、八菜さんによるワガノヴァとフレンチのメソッドの違い解説(フレンチメソッドを『シック』と表現されていました)など、大変興味深い内容だったと思います。
世界で活躍するバレリーナを目指すバレエ・ガールズ&ボーイズにとっても、有利とは言えない環境の中で『オペラ座で踊る』という夢をつかんだ八菜さん(『今もここで踊っていることが夢のよう』との言葉が印象的でした)の姿にはインスパイアされたのではないでしょうか。
パリ・オペラ座の舞台やDVDを見ていると、踊りや表現だけでなく衣装や舞台装置も、大仰さや華美さを感じさせない、シックな印象を受けていたのですが、やはりそれはフレンチ・スタイルによるものだったのね…と個人的に腑に落ちるところもあり。
八菜さんの抜群のプロポーション(172㎝&小さなお顔・細くて長~い手足の持ち主)と、難しいパも正確でブレず『重さ』を全く感じさせない踊りにもすっかり魅了されました。
残念ながら、八菜さんの踊りをライブで見る機会にはまだ恵まれていないのですが、まだ23歳の彼女、これからきっと多くの世界ツアーに参加されるはず!
チケット情報をウォッチしなければ。。。!
~reverence~